紋章のデザインに関する覚書

2016年2月7日

注意:紋章の意味や構成は独学での解釈なので、間違っていたとしたらそれとなく教えていただけると嬉しいです。

はじめに

結婚式の飾りとしてオリジナルの紋章と紋章飾りを作りました。

この時、せっかく作るなら立派なものを作ろうということで、いろんな紋章を参考にした上で、自分たちなりの拘りを加えて作りました。

こうして作った紋章は、飾りや招待状や席次表など、様々な場面で活躍し、好評だったと思います。

せっかくなので、紋章を作るときに検討したことを残しておきたいと思います。

紋章の規模について

紋章は、その構成要素の規模により小紋章、中紋章、大紋章と分けることが出来ます。

それぞれの特徴は以下の通り。

小紋章

エスカッシャン(盾)だけを使った紋章。最もシンプルな構成ですが、盾だけでもいくらでも弄りようがあるので、自分だけのオリジナル紋章が作れます。

 

中紋章

エスカッシャンと、その上部のクラウンやヘルメットなど少数の要素で構成されています。何かアクセントが欲しい時に加えてみるのもいいかもしれません。

 

大紋章

エスカッシャンと、その周りを囲む様々な要素で構成されています。紋章の威厳や見栄の程度によって周りを囲む要素の数が違う感じです。

 

紋章の構成要素について

上の大紋章を例にとると、構成要素は以下のように分類することが出来ます。

いろいろな要素がありますが、大紋章だから全部入れなければ…ということはないみたいです。見栄と身の丈に合わせて選べば良い感じでしょうか。

 

クレスト

CC BY-SA 3.0 by Sodacan modified by T&H

クレストは大紋章のほぼ一番上にある飾りです。ヘルメットやクラウンの上にいる動物であったり、羽飾りや翼のような装飾だったりします。紋章によっては頭(ヘルメット)から木が生えているものもありますが、紋章の構成要素はそれぞれ何かしら意味を持っているので、その持ち主にとってはそれほどに主張したい大切なものなんだと思います。

 

クレストのデザイン例

クレストに羽飾りを使っている紋章です。

 

ロンドンの紋章です。クレストには竜の羽を使っています。全体的に白と赤で構成されていてカッコイイです。クラウンはなく、リースがヘルメットの上にあるタイプです。

 

カリブ海に位置する国、トリニダード・トバゴの紋章です。クレストは船の舵とヤシの木でしょうか。

 

クラウン

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クラウンは、貴族にのみ許された装飾であり、国や時代によっては、身分によって細かくデザインが決まっていたようです。具体的に言うと、国王や皇帝が一番豪華なデザインになっています。ヘルメット無しでクラウンだけ飾るような紋章もちらほら見かけます。

また街の紋章では、クラウンと城壁を併せたような形の装飾をつけている場合があります。

さらに、クラウンの代わりに、もしくは併せてリースをつけることがあります。

 

クラウンのデザイン例

クラウンが浮いている紋章の例です。ちなみにこれはハワイの紋章です。

 

こちらは城壁のような形のクラウン?が装飾されている紋章です。

 

ヘルメット

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ヘルメットは、エスカッシャンの上にあることが多い装飾です。これもクラウンと同様、国と時代によっては身分によって厳格なルールがあるようです。正面か横を向いているものが多いですが、中には斜めを向いているものもあります。

さらに上述にように、ヘルメットなしの場合もあります。女性や聖職者など武人じゃない場合はヘルメットは相応しくないと考えたりするみたいですし、街や国だと有ったり無かったりです。一方、比較的珍しいものだとヘルメットが複数の紋章もあります。

 

ヘルメットのデザイン例

ヘルメットが斜めを向いている、比較的珍しいデザインの紋章です。

 

1つのエスカッシャンにヘルメットが3つある紋章です。どのヘルメットもクレストが豪華です。

マント

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ヘルメットの頂部あたりから伸びるひらひらを総じてマントと呼びます。クラウンやリースで固定されているように描かれているものが多いです。

エスカッシャンの後ろを覆うように派手に広がっているものや、ヘルメットの周りにちょろっとあるだけのようなものがあります。布のようなもの、海藻のようなもの、さらには植物をマントにした紋章なんてのもあります。

 

マントのデザイン例

エスカッシャンの横にサポーターがいないため、マントを思う存分広げた感じの紋章です。

 

カナダの紋章です。マントは控えめですが、カナダの国旗にもいる楓の葉でできています。クラウンがクレストの上にいますが、こういうのもアリなんですね。

 

エスカッシャン

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エスカッシャンは紋章の核をなす盾の部分です。盾の中には紋章の持ち主を特定させる重要な模様が入ります。時代や地域によって盾の形や、模様の入れ方に様々な手法がとられています。

あまりに仕組みや用語が複雑で、把握しきれないのでどんなものがあるのかと言う点で説明します。

まず、盾の形に関しては一例として下図のような種類がありますが、おそらくもっともっと多く、下図の古フランス式(1)とスペイン式(11)の中間くらいの形もカーブの具合や縦横比が違ったりと、何種類も存在しています。

1. 古フランス式 (Old French)
2. フランス式 (Modern French)
3. オーバル (Oval)
4. ロズンジ (Lozenge)
5. スクウェア (Square)
6. イタリア式 (Italian)
7. スイス式 (Swiss)
8. イギリス式 (English)
9. ドイツ式 (German)
10. ポーランド式 (Polish)
11. スペイン式 (Spanish)

 

エスカッシャンの中身は、場合によっては分割や幾何学模様や枠等が入りつつ、模様が描かれます。この辺りを、チャージとか、フィールドとか、パーティションとか、オーディナリーと言うようですが、素人にはいまいち違いがわかりません。

分割数は特に決まりがなく、少ないものから2、3、4、5、6…と縦・横・斜め・曲線も使って分割されていき、数えきれないほど大量に分割された紋章もあります。また、分割の方法の中には、盾の中に盾を入れるインエスカッシャンと呼ばれる方法もあります。

 

エスカッシャンのデザイン例

まるでモザイクのように大量に分割された紋章です。719個の紋章が組み合わさっているようです。

 

9分割の例です。中心にはインエスカッシャンが配置されています。

 

ガーター

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ガーターはエスカッシャンを囲むように巻かれるベルトです。紋章の持ち主に、何か特別に主張したい所属とかがあると使われることが多いと思います。

 

ガーターのデザイン例

金色の羊を吊るす金羊毛騎士団のガーターが巻かれている例です。

 

コンパートメント

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コンパートメントは紋章の台座となる部分です。コンパートメントがある場合、エスカッシャンや、エスカッシャンの両隣にいるサポーターは、その上に据えられている感じになります。

コンパートメントがない場合、スクロールの上にサポーターを立たせるような場合もあります。コンパートメントが紋章の大部分を占めるようなものもあります。

 

コンパートメントのデザイン例

紋章に書いてある通り、オーストラリアの紋章です。コンパートメントがエスカッシャンの何倍にも広がっています。ヘルメットとマントはなしでリースとクレストがあるという、特徴的なデザインです。

 

スクロール・モットー

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スクロールはしばしばエスカッシャンの下に据えられる巻物のことであり、モットーはスクロールに書かれる言葉のことです。モットーには最も大事にしたい言葉や家訓等が入ります。自国語か、ラテン語で書かれることが多いようです。

また、上記のオーストラリアの紋章のように、単純に地名の場合もあります。

 

サポーター

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サポーターはエスカッシャンを両脇から支える守護獣のことです。左右のサポーターは別々のものを使うこともありますし、同じものを使うこともあります。鳥、魚、人、柱、生きものから無機物まで使われています。

 

サポーターのデザイン例

カリブ海に位置する国、バルバドスの紋章です。サポーターとして魚と鳥がいます。クレストも特徴的です。

 

ジャマイカの紋章は、人間がサポーターです。国民のイメージでしょうか。クレスののワニも良いですね。コンパートメントがないためサポーターはスクロールの上に立っています。

 

サポーターの位置に柱がたっており、さらにそこにスクロールがあります。こんな紋章もアリです。

 

その他

上記の要素の他にも、もっと豪華に、もしくは特徴的に見せたい時には、さらに要素を増やしたり、巨大なものを配置したり、傾けたりなんて方法があるようです。

 

その他のデザイン例

紋章の一番外側に天幕が有るパターンです。紋章の豪華さに磨きがかかります。

 

一番外側に大きく鷲を配置するのも1つの手です。ちなみにこれはオーストリアの紋章です。

 

ヘルメットを載せた紋章が斜めに傾いている場合もしばしばあります。理由はよく知りませんが、こういう見せ方が流行ったんでしょうか。

 

引用:三鷹の森ジブリ美術館 http://www.ghibli-museum.jp/

三鷹の森ジブリ美術館の紋章です。いままでの紋章にくらべると、絵柄が緩いどころか、エスカッシャンの分割まで緩いです。

 

イギリスより、プリンス・オブ・ウェールズの紋章です。エスカッシャンがなくても紋章として成立するというから驚きです。

 

もっと紋章を見たい場合

これまでにいくつか実際の紋章を紹介しましたが、もっと見たいという人は、「紋章」や「Coat of Arms」でGoogleの画像検索やwikipediaの検索をすると大量に出てきます。

これまでに解説したような内容から外れているものも見かけますので、かなり自由に作っていい感じがします。

以下のリンクも参考にどうぞ。

「Coat of Arms」の検索結果 – Wikipedia

国章の一覧 – Wikipedia

東京ディズニーリゾートで見つけた紋章たち

東京ディズニーランド(TDL)やディズニーシー(TDS)に行くと、タペストリーとして、壁画として、壁飾りとして、いろんな紋章が飾ってあります。

もしTDLやTDSに行く機会があれば、装飾も気にしながら歩くとさらに楽しめるかもしれません。大紋章では、TDLのキングダム・トレジャー(お土産屋)や、TDSのフォートレス・エクスプロレーションの門にあるものが、格好良い飾り方をしています。TDLのシンデレラ城にはウォルト・ディズニー家の紋章が飾ってあるのも有名です。

TDLのキングダム・トレジャーにある大紋章です。カラフルな半立体の壁飾りになっています。

 

キングダム・トレジャー店内の紋章のタペストリーです。フリンジ付のタペストー格好いいですね。

 

TDLのファンタジーランドの建物の屋根を眺めていても、紋章を見つけることが出来ます。こちらは屋根に直接ペイントしたような飾り方をしています。

 

TDSのフォートレス・エクスプロレーションの門にある大紋章です。なかなか大きいサイズで、石造りで渋く仕上がっています。

 

TDSでは紋章が描かれたタペストリーも飾られています。

 

TDSのフォートレス・エクスプロレーションに泊まっているガリレオ船にも大紋章が描かれています。これはデカい。

 

TDSのメインエントランス付近にも、紋章飾りがあります。大理石を彫った感じの飾り方をしています。

デザイン

Posted by T&H