自作赤外線リモコンの出力を上げる雑な方法
はじめに
自作赤外線リモコンを作って、近くのものは操作できるのに、遠くのものが操作できないなんてことになったとき、LEDの光量不足が考えられます。
ちなみに、下の記事で紹介しているArduinoで作る赤外線LEDリモコンですが、Arduinoのデジタルピンに赤外線LED直挿しして光らせてしまった場合、5mくらい離れたシーリングライトは操作できませんでした。(なお、本来ならばArduinoの出力ピンには200Ω程度の抵抗を入れるべきで、直挿しだと電流が流れすぎて、LEDが焼き切れ、Arduinoも故障する可能性があります。)
LEDの光量を増やそうと思ったときに取り得る方法は以下の2つです。
LEDを高輝度タイプに変える
自分が使っているLEDの型番を控えていればデータシートを確認して、より光量が大きいものがありそうなら変えてみても良いかもしれません。
電流を増やす
既に高輝度LEDだったら電流を増やすしかないですが、Arduinoなど、マイコンで送信する信号を制御しているならば、トランジスタを使ったスイッチング回路なんかを作ってLEDに別途大きめの電流を流すというのが正当派かと思います。
とは言え、ちょうどトランジスタを切らしている、適切な抵抗が無い、むしろ抵抗を計算するのが面倒…わざわざ作りたくないなぁという気持ちがフツフツと浮かびます。
そこで、雑に出力を上げる方法は…
余っているリモコンを分解して信号線を繋ぐ
です。やってみましょう。
作り方
余っているリモコンを分解する。
以下では、自作リモコンと区別するため、ジャンクリモコンと呼ぶことにします。実際、ハードオフ等のリサイクルショップで売られている1個100円のジャンクリモコンで十分です。ジャンクリモコンを選ぶコツとしては、少し古くて大きめのものの方が分解しやすいです。とは言え、分解できること前提になっていないと思いますので、隙間にドライバーを突っ込んでこじ開けます。
トランジスタに繋がったICの足を見つける
基盤を見ると、何やらいろいろ乗っていますが、基盤とにらめっこしていればトランジスタらしい3極のチップが見つかります。もしそれがLEDの電流制御用のトランジスターであれば、端子の1つはGNDか電源ラインに、もう一つはLEDに、もう一つは抵抗を介してICに繋がっていると思われます。
見つけたICの足とGNDを自作リモコンに繋ぐ
自作リモコンのGNDとジャンクリモコンのGNDを繋ぎ、自作リモコンの信号線をジャンクリモコンの、トランジスタが繋がるICの足にはんだ付けします。例えば、下の写真のように、ジャンパー線をGNDとICの足から伸ばしておいて、自作リモコンの出力ピンと繋げば取り回しが楽です。(写真ではICにつけたハンダが隣のピンまでかぶってますが、GNDや電源ラインじゃなければそこまで問題にならないでしょう)
完成
自作リモコンの信号を出してみましょう。ジャンクリモコンの電池を使って、LEDが光ります(赤外線なので見えませんが)。今まで以上に離れた機器も操作できるようになれば大成功です。見た目を気にするならリモコンのケースに穴を開けてジャンパー線を引き抜けるようにするのも良いでしょう。
我が家の自作リモコンは少し離れたシーリングライトも操作できるようになりました。見た目を気にしなければ大満足!